昭和42年10月11日 衆議院 地方行政委員会

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日本共産党 林百郎
私は、このたびの羽田で警察といわゆる衝突と称する暴行の行なわれた一部のトロツキスト学生諸君の行動について、厳密に検討してみたいと思うわけです。この諸君は、いわゆる三派系全学連あるいは革マル派ともいわれている諸君であります。これらの諸君の行動の特徴については、いままでの質問者のだれにも出なかったもう一つの重大な特徴がある。ということは、彼らはこのような暴行をする際に、必ず、日本共産党を、いわゆる修正主義を粉砕しろ、あるいは日共修正主義者の集会を粉砕せよと称して暴行しております。これは皆さん御存じだと思います。こういう、共産党に対してこれを粉砕する、日本共産党に対して修正主義という汚名をかぶせて、これに攻撃をかけるという点では、自民党の基本的な態度と一致する面もあるわけです。この点についてはだれも質問しておらない。

そこで、こういう中から、この諸君の今度の取り締まりについて、これは単に甘いというばかりじゃなくて、その点でのなれ合いがあるようにわれわれは考えられるわけです。ということは、この諸君が羽田でやった行動について、いまさら皆さん口をきわめて大事件のようなことを言っていますけれども、これはもう、ことしの彼らの行動を見たって、彼らの本性がわからないはずがない。

一例をあげますと、5月28日の立川基地拡張阻止の砂川大集会が行なわれたときに、整然と大衆が抗議行動をやっているときに、ジグザグデモをやったり、あるいはなぐり込みをかけている。

7月の東京都議会においては、わが党の梅津都議が委員長をやっておる公営企業委員会に押しかけて、美濃部都政を粉砕しろ、共産党の梅津委員長のやり方を粉砕しろといってなぐり込みをかけて、そして庁舎の一部をこわしてまでいる。

それから6月には、法政大学に明大や中大のトロツキストの学生がやはりなぐり込みをかけている。

9月には法政大学の学長や教授の不法監禁をしておる。

これはわかり切っておる。ところが、そういうわかり切ったこの諸君に対して、8日の羽田において警察当局がどういう態度をとったか。空港の周辺では定期バスの乗り込み客まで検問して、そして、この通行を阻止して飛行機に乗れないようにまでしている。素手で整然と抗議運動をしようといって参加しておる人と、この羽田空港への抗議デモに参加しようとしておる民主勢力の代表の交通を途中でストップしている。

ところが、丸太ん棒を持ったり、角材を持ったり、ヘルメット帽をかぶって、だれが考えたって、これは整然たる権威ある大衆行動をすると考えられない者が――飛行機の切符を買って飛行機に乗るというお客までがとめられているのに、どんどん入っていって警察官と接触ができる。これはなれ合いでなくて何でしょうか。あらかじめなぐり込みをかける、討ち入りをするというような態度で乗り込んできている者を、警察と自由に接触さして、数1000の機動隊、正確に言えば警察のほうでは2000数百名と言っていますけれども、相当の機動隊まで出動しながら、警備車を奪われている、焼かれている、あるいは警察がトロツキストに追われて逃げ歩いている。