昭和49年03月05日 衆議院 沖縄及び北方問題に関する特別委員会

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日本共産党 瀬長亀次郎
最後に、あと5分くらいありますのでお聞きしたいのは、この前CTS反対阻止といいますか、いままでCTSが公害産業であるということで沖縄県知事が態度を決定したときに、自民党沖縄県連の主催で大会を持ち、デモを起こして知事室に乱入したことがあります。この沖縄県知事室に乱入したときに、沖縄における部長やあるいは公室長あるいは副知事などもなぐられ、さらに知事の部屋の中のテーブルもひっくり返され、いすもこわされ、ガラス窓もぶちこわされている。そういったような事件が起こったのであります。

警察庁に聞きますが、あのとき知事公室から3べん電話をかけてやっと警察がやってきた。20分ほどかかっている。あれは電話を受けとってから3分くらいで知事室に来れる距離なんです。これにつきまして警察庁としてはどのように指導されておるのか、この一点だけお伺いしたいと思います。

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説明員(警察庁警備局警備課長) 山田英雄
お答えいたします。

ただいま御指摘の事犯は、2月8日に自民党沖縄県連が、午後1時から与儀公園において2時40分まで3000人の集会を行ないまして、2時から県庁前に向けて2500人の規模でデモが行なわれたケースでございます。3時40分に県庁前に到着いたしまして、逐次解散したわけでございますが、その際、代表団5人が知事と面会の予定がございまして、この際、1700人くらい解散途中でありましたグループから150人くらいが代表団に追随いたしまして、3時45分にそのうち100人ぐらいが代表団とともに知事室に入って起きたケースであると承知しております。

これにつきましては、ただいま暴力行為等処罰ニ関スル法律第1条違反ということで、厳重な捜査を継続しておるわけでございますが、およそ暴力事犯につきましては徹底した措置、捜査を行なう、これが私どもの基本方針でございまして、沖縄県警においても変わるところはございません。

ただ、ただいま御指摘の事犯の時間的経過でございますが、当日1時50分に琉球大学における内ゲバ殺人事件が発生いたしました。そこで、このデモの警戒につきましては、2個中隊約200人の規模で警戒を実施しておったわけでございますが、集会途中に内ゲバ殺人という重大な事犯が起きましたので、当日現場で指揮しておりました那覇警察署の警備課長はじめ所要の部隊、集会が平穏に行なわれておりましたので、そのことも勘案いたしまして、1個小隊程度の制私服を残しまして、交通整理要員を残しまして、直ちに内ゲバ殺人の犯人を逮捕すべく配置転換をいたしまして、緊急配備活動を実施したわけでございます。その後、事犯は3時45分に県庁知事室内で起きておるわけでございますが、3時50分に県の総務課から県警本部の警備課にガラスが割られたという通報をいただいております。直ちに那覇署にその通報が連絡されまして、那覇署の警察官の大部分は内ゲバ殺人の緊急配備活動を展開しておったところでございますので、その部隊を県庁内における集団暴力事犯に直ちに向けるべく、那覇署の警備課長は指示をしたわけでございます。2個小隊60人を配置転換をするという指示をいたしまして、那覇署の警備課長も県庁に直ちに転進してまいったわけでございます。

そこで、4時28分に県の総務部長から那覇署の現場へ到着しました警備課長に事犯の通報が重ねてございまして、知事室に警備課長自身が参りまして、厳重な警告をする。そのときには2個小隊、制服も到着しておりますので、部隊の威力を背景としまして退去を警告しましたところ、三々五々退去していった、こういうことでございます。

事件自体につきましては、その後12人の捜査員の編成をもちまして、ただいま犯行の具体的状況並びに犯人の特定に鋭意努力しておるところでございます。

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日本共産党 瀬長亀次郎
時間が参りましたので締めますが、もう一度お聞きしたいのは、これは琉大内における革マル・中核の殺人事件が起こったことは私も知っております。いずれにいたしましても、あのような大会を持ち3000人のデモをやる、知事を殺せというシュプレヒコール、こういったシュプレヒコールは民主団体ではやりません。だれを殺せ、頭の皮をひっぱげというのがありますが、そういったようなことばまで使いながら、実に2キロいらいの距離をデモをやっておる。この中でもどのようなことが起こるかなということが想像つきます。結局、自民党県連がやったためにあのようなことが起こったんだといったようなこと、警察がいかに大目に見ていたかという問題と、もう一つお聞きしたいのは、これは御存じかどうかお聞きしたいのです。