昭和60年12月06日 衆議院 運輸委員会

[092]
日本共産党 梅田勝
11月29日に発生いたしました、にせ左翼暴力集団中核派による鉄道妨害事件は、国民と国鉄に大きな迷惑と損害を与えました。かつ、国鉄の信用を傷つけた反社会的蛮行として絶対に許されるものではございません。私どもも早速浅草橋駅、錦糸町駅も現地調査をいたしまして、つぶさに実態を把握してきたところであります。

そこで、国鉄総裁にお伺いいたしますが、このようなにせ左翼の妨害行為をあらかじめどのように予測されていたのか。特に、中核派の機関紙「前進」に大変なことを書いていたのでありますが、御存じでございましたですか。

[093]
説明員(日本国有鉄道総裁) 杉浦喬也
今回の千葉勤労のストライキと関連いたしまして、中核派がこれを支援し、過激行動によって鉄道妨害を企てているという警察からの事前の情報は、具体的ではございませんが、全般論としてあったわけでございます。こうした情報を受けまして、国鉄側としましても、公安職員を動員しまして、その他の職員を合わせて約3000名程度の要員で、千葉局だけでなしに東京都地区全域におきまして、駅とか線路とか、そうした施設の警備等の警戒態勢を早めに行ってきたところでございます。

スト期間中も警察側と緊密な情報連絡をしたわけでございますが、遺憾ながら、中核派の今回のような活動は非公然組織が行っているところでございまして、事前にどこでいつどのようにするかというような具体的な内容を予知することはとてもできない状態でございました。したがいまして、それに対する的確な予防ということができず、今回のような結果になったわけでございます。

今後とも、警察側の中核派の動向の把握ということについての一層の情報把握をお願いを申し上げたいと思いますが、警察と十分連絡をとりまして、万全の措置を講じていきたいというふうに思っておるところでございます。

[094]
日本共産党 梅田勝
きょうは与えられた質問時間が14分しかございませんので、駅へ行きましていろいろ詳細に聞いておりますので、疑問に感ずる点はたくさんありまして、お尋ねしたいこともございますが、先ほど私聞きましたように、私も新聞報道で知ったわけでありますが、11月18日付の中核派の機関紙「前進」で、「「首都圏・全国を革命的な一大騒乱の渦にたたき込め」「勤労千葉ストは、とうてい収拾できないような、天井しらずの、激烈な物情騒然たる情勢をつくりだすだろう」と”11・28~29闘争”を予告していました。」こういう報道もあるわけなんですね。

ところが、ストライキが29日の正午まで続けられるのに、終電が終わったら警備体制はほとんどないに等しい状態になる。そして朝方やられているわけですね。どう考えても、これだけのことを言っているわけですから、厳重な警戒というものが必要ではないか。昨日も参議院の地行で同僚議員がただしておりますが、国鉄の職員が、この辺は危険だということで巡回したところで遭遇して、未然に防止をしているということもございまして、あらかじめわかったわけですから、総裁は、先ほど私、この「前進」の予告記事を読んでおられましたかということを聞いたんですが、これは読んでおられましたですか。

[095]
説明員(日本国有鉄道総裁) 杉浦喬也
後からそれを入手いたしまして読んでおります。