昭和61年03月06日 衆議院 予算委員会第一分科会

[088]
日本共産党 梅田勝
ここに、京大教養部学生自治会が出しましたビラを持ってまいりましたが、ことしの1月20日に、授業中の京大教養部の構内におきまして、いわゆるにせ左翼暴力集団の中核派と称するものがおりますが、それに属すると言われております1人の学生が殺害されるという事件が発生をしたわけであります。これは、一般新聞が報道いたしておりますような、大学職員が「若い男性が後頭部から血を流し倒れているのを見つけ119番」したというような程度のものではございませんで、まさに朝の授業中、教室の横の廊下におきまして殴り殺されているのですね。その悲鳴に驚いた授業中の学生が飛んでいって、そしてみんなが取り囲んでいる、中にはとめに入る者もおるという状況の中で、まさに騒然たる状況のもとで殺人事件が起こっておる、全く驚くべき衝撃的な事件でございます。

ですから、「こんな恐しい大学はもうがまんできない! 遂に殺人事件が! 当局は一体、何をしている!」ということを書かれ、「殺人者集団がのし歩く大学では、安心して学べない!」ということで強く善処が求められているわけでございます。

ところが、この事件が起こりました直後、いわゆる革マル派というものが、その機関紙におきまして公然と犯行声明を出しているわけであります。私は、まだその犯人が逮捕されたというニュースを耳にしていないわけでございまして、まことに遺憾きわまることでございます。

京都大学は言うまでもなく国立大学でございまして、毎年相当な予算がつけられているはずでありますし、会計検査院も毎年検査に入っておられると伺っております。先ほど申し上げたように、安心して勉学に精励できない、それから、大学の研究者も落ちついて研究ができないということになりますと、国費がむだにということになりかねないわけでございまして、何としても正常に戻す必要があるわけであります。



[090]
日本共産党 梅田勝
今申し上げたように、会計検査院の方が立入検査で入ろうとした、それが阻害されてできなかった、こういう事態は異常なんですね。それどころか、授業中に殺人事件が起こる。全く驚くべき事態だと思うのですね。

第1点は、京都大学におけるこのような異常な事態についてどのように考えておるか。

第2点は、昨年も後期におきまして教養部において中核派のバリケードが築かれて封鎖されて、教養部全体の授業ができなかった、こういう事態が何回か起こったようでございますが、事実かどうか。

第3に、教養部におきましては教養部の部長室がないという事態が続いておるようでございますが、この3点についてどのような御認識を持っておられますか。

[091]
説明員(文部省高等教育局学生課長) 佐藤孝安
まず1点の、1月20日の学生の死亡事件でございます。確かに先生の指摘のとおりでございまして、1月20日に教養部の構内におきまして学生が白ヘル数名の暴行を受けて死亡した、こういう事態がございます。これにつきましては、私どもといたしましてはこのような事態は理由のいかんを問わず承服できない事件でございます。容認できない事件でございます。特に大学といいますのは要するに研究、教育にふさわしい平穏な状態に常に保たれているということが一番大切なことでございますので、こうした事件が今後二度と起こらないようにまた指導を強めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。

それから2点目でございますが、京都大学で起こりました60年度の事件といいますと、教養部で封鎖が1回ございます。それから文学部で授業放棄それから封鎖が行われているところでございます。その報告がございます。

それから第3の、部長室がないということでございますが、これも現在事実でございます。

[092]
日本共産党 梅田勝
ついでに聞いておきますが、この1月20日の犯人は逮捕されましたのですか。

[093]
説明員(文部省高等教育局学生課長) 佐藤孝安
ただいま警察当局で調査中でございまして、まだ捕まったというわけではございません。