昭和48年02月03日 衆議院 予算委員会

[262]
日本共産党 松本善明
私は、昨年の通常国会の予算委員会で、学園における暴力の問題を取り上げました。早稲田大学における革マルの暴力によって登校さえできない学生があるということを問題にいたしましたが、そのときに、セクト間の問題でむずかしいというような答弁もあり、きょうもまたその趣旨のことが言われました。

私は、そこで重大に思いますのは、そういう口実のもとに実際上は何もされてこなかった。私が取り上げたのは昨年の4月でありますけれども、その後昨年の11月8日には早稲田で殺人事件が起こっております。私が提起をしましたときに直ちに、あるいは文部省、あるいは国家公安委員会、こういうところが直ちに処置をとっておるならば、このような犠牲者を生まなくても済んだのではないかと私は思います。このことについての政治責任をどのようにお考えになっておるか、お伺いをしたいと思います。

[263]
自治大臣・国家公安委員会委員長・北海道開発庁長官 江崎真澄
まず、私からお答えを申し上げます。

暴力の事犯をなおざりにするなどというようなことは、これはあり得るはずがございません。したがって、警察としては、少なくとも今回のあの早稲田の事件のごときは、治安と日常の平穏な生活に彼らが完全に挑戦をしたものというわけできびしく取り締まろうということで、従前もいまも変わりない態度で臨んでおります。

[264]
文部大臣 奥野誠亮
いま、セクト間の対立でむずかしいという答弁があったようにおっしゃいましたが、私、その答弁は存じておりません。しかし、事実セクト間の激しい対立が行なわれているわけでございます。たとえば、文学部が革マルだとか、あるいは法学部が民青だとか、いろいろいわれておるわけでございますし、これらのセクトが学外のセクトとも密接に関係を持っておるわけでございます。そういうことで荒れに荒れているわけでございます。幸いにしてこのごろでは、激しい乱闘が起こった場合に警察を導入する、そういうことにつきましての警察アレルギーも漸次解消しつつあるんじゃないだろうか、こうも思うわけでございます。

この間、早稲田大学の中で学生部長が学生に両腕をかかえられて構内を連れて回られている、そういう写真を私が見まして、学園の中で暴行、脅迫が行なわれているのに、これがそのままに見過ごされておる、たいへんなことだという感じを持ちました。

同時にまた、いま早稲田大学の責任者の一人は、これでは学校当局が警備力を持たなければとても秩序を維持できない、こういうことも言うているわけでございます。

私は、こういう事態を考えますと、乱闘が起こった場合に警察を導入するだけじゃなしに、現在、いまの早稲田大学に警察のパトロールを頼むべきじゃないか、それ以外には秩序を維持できないじゃないかと、こう思うのでございまして、ぜひ日本共産党の御賛成を私は得たい、このことを提案申し上げたいと思います。