昭和47年03月17日 参議院 決算委員会

[184]
日本共産党 塚田大願
昨年の12月14日から16日にかけまして、愛知大学の名古屋校舎におきまして、一部の暴力学生が校舎を不当に占拠をいたしまして、学生会館の3階、4階、これにバリケードを築き封鎖をしたのでございます。そして、その間、火炎びんを投げる、あるいはいすや机を上から落とす、こういうふうにあばれまくりまして、相当多数の学生の負傷者も出た、こういう事件があったわけでございますが、これについて警察庁は知っておられましたかどうですか、お答え願いたいと思います。

[185]
説明員(警察庁警備局参事官) 斉藤一郎
ただいまお尋ねの愛知大学における紛争事案については、学費の値上げに関連して大学の中で紛争があったということを承知いたしております。

[186]
日本共産党 塚田大願
この大学を占拠いたしました暴力集団はどういう性質の集団でございましたか、それをお答え願いたいと思います。

[187]
説明員(警察庁警備局参事官) 斉藤一郎
ただいまもお答えしましたように、大学の中で、学費の値上げに関連して自治会の中で意見が分かれ、自治会の執行部あたりでちょっと意見の分かれができまして、そしてセクト争いになったというふうに伺っております。

[188]
日本共産党 塚田大願
たいへんあいまいな話で、警察庁ともあろうものがそんな程度のふうに理解しておるとは、まことに不可解な話であります。とにかく、火炎びんを投げる、あるいは多くの人を負傷させる。機動隊もそのとき出たはずであります。ですから、警察庁がもっと具体的にどういう集団であったかということをつかんでおるはずだと思うのですが、それをはっきり言ってもらいたいと思うのです。

[189]
説明員(警察庁警備局参事官) 斉藤一郎
大学の中でいろいろただいま申し上げたように値上げをめぐって意見の分かれがあって、いわゆる内ゲバがあったようでございますが、このことについては、大学のほうにもたびたび私どものほうから協力方をお願いして、事態の実態把握に努力してまいったのでありますが、何ぶんもうひとつ大学の御協力が得られないのと、私どもの行動が大学の中へ及ばないということで、その実態を十分承知いたしておりません。

[190]
日本共産党 塚田大願
警察は、相当の予算を使ってこういった情報をつかみ、いろいろな角度から探っておると思うのでありますが、どうもいまの話を聞きますと、大学の協力を得られなかったのでさっぱりわからない、そんな無責任なことでは、私は治安の責任を持つことはできないのじゃないかと思う。たとえば、どろぼうがどこかに入った、そのどろぼうがだれであったかということを警察は当然追及しなければならない。大学を封鎖して火炎びんを投げた集団がどういう集団であったかということはわからなかったなどということは、今日の常識からいっても私は通らないと思うんです。しかしいま警察庁はあくまでそういうしらを切られるんですから、私のほうから紹介いたします。

この集団は、いわゆる天下にその名をとどろかした革マル、いわゆる革命的マルクス主義者派という連中です。これは新聞でもいままでたびたび出てきた集団であります。それからもう一つは毛学戦という集団です。正確に申し上げますと、毛沢東思想学生戦線という集団です。この革マルと毛学戦、これが中心になって学園封鎖をやる、火炎びんを投げる、こういう事件です、特にこの毛学戦というあまり聞かない名前でありますけれども、とにかくやはりこの集団は毛沢東思想盲従の暴力集団と言われておるわけであります。せんだってあの残虐な殺人事件を起こしました連合赤軍も、同じ毛沢東思想盲従派であります。この毛学戦も同じそういう傾向の集団である。こういう関係を見ますならば、これはだれがやったかわからない、学生内部の内ゲバだろうというふうなことで済まされる問題ではないと思うんですが、この点はどうですか、もっと資料は正直に出していただきたいと思います。

[191]
説明員(警察庁警備局参事官) 斉藤一郎
いま御指摘のように、学校の中でいろいろ紛争があって、過激な行為があったということでございましたので、私ども警察としても、暴力ざたがまかり通るようではまことに警察の責務上ぐあいが悪いということで、たびたび学校側にその状況などをお知らせいただくよう御協力をお願いしておるのでありますが、学校のほうの御協力がいただけないので、そのようなことがあったということ程度しかわかっておらないのでございます。