昭和49年09月20日 参議院 決算委員会

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日本共産党 加藤進
そこで、安嶋局長にもちょっと御認識をいただきたいのは、この日比谷における集会を主催した団体の中に中核派があるんですね。いいですか、中核派の名前でこの会場を借りておるんですよ。中核派というのは一体どういう組織ですか。これは赤軍派と関係ないですか。あるでしょう、中核派というのは。中核派は警視庁の調査によっても、ことしに入っただけで2件の殺人事件を起こしています。殺人団体ですよ。いいですか。先生をそんなところに寄りつかしていいという良心がありますか。そんな良心なんですか、あなたの良心は。また、警視庁の調査によると、ことしに入ってから中核派の殺人事件、これは2件ですが、これは指名手配済みです。これには横浜大学、沖縄琉球大学、死者が出ています。

またわが党の調査によりますと、1968年以降、この6年間に死者30数名、重軽傷者4000数百名を数え、ことしだけでも5月時点で死者5名、重軽傷者209名を出している。これは中核、そうして革マル、こう2つのいわゆる内ゲバの起こした事件ですよ。内ゲバですよ、これは。それが中核派なんです。

この中核派の機関紙「革共同通信」30号にはどう書いてあるのか。ちょっと読ましていただきますよ、これは教育上重要ですから。「わが部隊は、」――これは中核派の部隊ですよ。その集会を組織した主催者の部隊ですよ。「わが部隊は、潰走する反革命分子を徹底的に追撃して、鉄パイプの猛打をたたきこみ、せん滅した。」(笑声)笑いごとじゃないですよ。「……方余の労働者、学生、人民の眼前で、確実に血の海に沈めたのである。」と、こう言っています。誇り高く言っているのですよ。「わが部隊の攻撃の前に、さながら、日比谷一帯は、革マルの処刑場と化し、反革命分子のおびただしい血で染まったのだ。」、喜んでいるのです。「……路上に、ビルの角に、群衆のど真中に累々と横たわった光景は壮絶そのもの」であったと、こう言うのです。こういう連中ですよ。こういう連中のところへ先生が動員されて、拍手して、シュプレヒコールをやらされたのですよ。これが研修だと言うのです。いいですか、大体わかりますか。

だから、すでにわが党林議員の質問に対して当時の後藤田警察庁長官は、これはまさに凶悪犯罪集団であると認定しているのです。このことについて研究しなくちゃならぬ、調査しなくちゃならぬ、もう少し考えさしてくれ、こんなことを文部省は言っているのですか。こういうものが参加しておる集会に、教育行政当局が研修命令として教員を参加させる、一緒になって反共演説に拍手し、共同のスローガンを叫ばせる、つまり教育行政当局、教員と中革派は凶悪な犯罪者集団と共同行動をとるまでに至っているのです、これは、客観的には。これが文部省の言い、法律に規定されておる研修の名に値するのか、こんなことを研修の名によって行なうことは絶対に許しがたい。むしろ文部大臣も、あなたも怒り心頭に発しなくちゃいかぬ問題じゃないですか、これは。冷静におれませんよ、こんな問題では。その上にこの動員のためには臨休態勢をとり、自習や授業カット、生徒を休ましています。これが教育ですか。これがほんとうに子供を愛する教育なんですか。そのための研修なんですか。

こういうことは何もいま埼玉県の本庄市だけに初めて起こったことじゃありません。初めてじゃないのです、数年前に後藤田警察庁長官さえ答えておるのですから。いまなお彼らが蠢動をほしいままにしているのです。国内ではやれなくなったからといって外国へ行ってやっているでしょう。こういう連中ですよ。

だから大阪、広島などの全国各地で解放同盟の一部による教育への不当な介入が至るところでやられています。これは私も質問しました。私たちの村上国対委員長も質問し、わが党の議員のほとんどがこの問題について質問しておるにかかわらず今日までそのような教育介入について文部省が厳格な適切な態度を一度分もとったんですか。そのつど文部省は事実を調査し、正すべきものは正します、何度も繰り返しました。これは奥野文部大臣以前の問題からどっと起こっています。